1日目、2日目  5日目  6日目  7日目、8日目、9日目へジャンプ♪

 

≪3日目≫

 夜中4時位に目覚める。波は相変わらずの激しさだが、だいぶ慣れてきた。窓から空を見ると月(三ヶ月)がくっきり。星も沢山出ている。とっても不思議な感覚である。どこを見渡しても陸地がないのだから。他の船も居なければ、何も無い。周りは真っ黒な海、ひたすら広がる海。こんな無の世界に来たのは初めてである。

 朝御飯に初参加。大波に、時々座っている椅子の上で雪崩の様になりながらも、皆、キャーキャー言って笑える余裕が出てきた。プラムが凄く美味しい。ロンドンに居た時良く買いに行ったCricklewoodの八百屋さんをふと思い出す。朝食後、部屋で横になっていると、イルカが船の後ろをジャンプしてついて来たというアナウンス。飛び起きて、ビデオ&カメラを掴み、走る。クルーズ初の動物の出現で、皆走っている。Dolphin、ドルフィン、どるふぃん♪と呟きながら皆、鼻息を荒くしてデッキに走る。・・・が、時、既に遅し。。彼らはもう何処に・・・。

 皆が〜っかりして部屋に戻る。再びアナウンスで鳥研究家のレクチャーがある模様。おっ、ペンギン講座だっ!!ペンギンファンとして慌てて参加。ペンギン界の奥深さに目が輝く☆ちょっと利口になる。その後続けて、上陸に備えてのゾディアック(上陸探検用小型エンジン付ゴムボート)講座。南極条約なども学ぶ。1度に100人以上が上陸する事は禁止されているそうで、今回も2グループに分かれ、グループAが上陸している間はグループBはゾディアックにてプチクルーズするらしい。ペンギンや鳥には5m、アザラシには15m近付いてはならない。ただし、じっとしていて向こうが近寄って来るのはOK。でもアザラシは足が早く凶暴なので逃げるべし・・・等教わる。最も大事な事は何も持ち込まない、持ち帰らない。石ころ1つでもペンギンの生活に乱れが出る、生態系を壊さないよう、この点はクルーも強調していた。ペンギン、ゾディアック、南極条約・・・と実感が沸いて来た。ワクワク!

 ランチの後は本格的カメラ講座。一眼レフ、望遠、カメラ、デジカメ、デジタルビデオとあらゆる機材を持ち、張り切って出かける。技術的な事も沢山教わったが、最も大事なポイント。それは『大地と一体になれ!!』だった。ペンギン達と同じ目線で、汚れなんて全く気にせずシャッターチャンスを待てとの事。それにしても、プロカメラマンが多いのは事実だが、皆の機材への気合いの入り方はなかなか笑える。私の祖父は東京で長年写真と共に生きたプロのカメラマン。その祖父が愛用していた一眼レフと望遠レンズの一式を今回父から譲ってもらって南極に持って来た。ナイスショットが撮れます様に・・・。

 おやつ、晩御飯の後、遂にPM21:05に初のアイスバーグ(氷山)発見!ビンゴにはならず。PM21:20にジャンプしながら泳ぐペンギンが現るというアナウンス。朝のイルカよりも、すっ飛んでデッキに行くが、これまた間に合わず。うぇ〜ん、何か見たいよぉ〜。。

 その後再び写真講座。皆、すっかりハマッている。明日はいよいよ上陸出来そう♪良いお天気になります様に・・・

 

≪4日目≫

 久々に静まり返った船。飛び起きてみると、船は穏やかな海にエンジンを止め浮かんでいた。窓からは向こうに氷の大陸が見える。おそらく南極大陸だ!今日の上陸予定は南シェトランド諸島である。ドレーク海峡を越え、最初に見えるのが、南極半島の北に位置するこれらの島々だ。それらの中から今日は2つ上陸予定。雲1つない快晴。

 朝7時、お決まりのモーニングコール。7時半、朝御飯。皆、ウキウキ、そわそわしている。8時半〜上陸準備開始。私はグループAに名前を呼ばれ、早速スキーウェアに膝上の長靴を履き、タラップを怖々降りてゾディアックに乗り込む。まずは、超巨大鯨出現との事でボートで追う。僅かに黒い大きな背中を拝めた(笑)

     

 その後リビングストーン島のハンナポイントに上陸。海岸手前でゾディアックを停め、ザバザバと海水を歩き浜辺へ。日本のホームセンターで探し求めた、この長靴が大活躍。山ほどのアゴヒゲペンギンとジェンツーペンギンが迎えてくれた。ここは、ジェンツーペンギンのルッカリーやアザラシのハーレムが有名。時々マカロニペンギンが見られるとの話だったが残念ながら登場せず。それにしても感動し過ぎた(笑)。どこを見渡しても天然のペンギン&アザラシばかりである。水族館に行くと必ずペンギンコーナーの前で釘付けになるのだけれど、やはり全く違う。目が生き生きとしているし、お腹の毛が銀色に輝いている。

     

 人間への恐怖心、警戒心は彼らにはゼロ。『何だ、こりゃ?』といった顔ですぐに近付いて来る。じっとしていると長靴やズボンを突っつきにやって来る。日向ぼっこしたり、走ったり、大喧嘩したり、狂ったように踊ってみたり・・・。何時間見ていても飽きない光景だった。人間と一緒でそれぞれ顔や性格が違って面白い。アザラシはハーレムを作ってお昼寝中。ぷふぁ〜と大イビキをかきながら無数に転がっていた。丘の上から下を見下ろすと圧巻!岩に見える茶色の物体は、アザラシ&トド。無数の点々は全てペンギンである。トドを観察。アザラシの大イビキなんて可愛いもの。ぶっへぇ〜って豪快なイビキである。ずっと寝続けているのか背中にはコケが生えている。食べて寝ての生活で肉の塊と化し、よく顔のパーツが分からない。『食べてすぐ寝るとトドになるよ』って言葉が、身にしみて己への戒めとなる。決して、あぁなってはならないと(笑)12時の船に帰る時刻までたっぷり。クルーたちは皆、この様な快晴で穏やかな海のハンナポイントは初めてとの事。天候が運悪くずっと悪ければ1度の上陸もなしに帰らなければならないそうだ。今日はまずは、ラッキー。明日、明後日も晴れが続きます様に。

         

 た〜っぷり満喫して再びゾディアックに乗って船へ。すぐにランチタイム。皆、ペンギン話でもちきり。今日はピザビュッフェだった。船が出発。次の目的地はデセプション島。カルデラの一部が崩れたような形で、外海と内海がつながっているこの島は火山島である。地熱の為、雪は溶けて殆ど残っていない。アザラシは沢山居たがペンギンは僅か6匹程。なぜか死骸が多い。かつての火山爆発で崩壊したイギリス基地の残骸や、壊れた船、鯨の骨や小屋が点在する。丘(カルデラ)に登ると向こうに真っ白い南極大陸本土が見える。この様にくっきり見えるのもクルー達にとって初めてとか。よしっ、ツイテるぞ♪動物が余り居ない為、皆やや退屈気味。ボーっと歩いて通り過ぎるとアザラシに追い掛けられる。上陸前の注意通り、彼らの足(手?)は非常に早い。普段はノタッと転がっているが、走り出すと犬以上の速さである。襲われて猛ダッシュで逃げ回っている人が結構居た(私もそのうちの一人)。

 ここは火山の地熱のお陰?で南極で唯一露天風呂に入る事の出来る島。海辺の砂を掘り、海水を入れると生暖かいらしい。本当は入ってみたくて一応、スキーウェアの下に水着を着てやって来たものの、日が落ち始めて急激に寒くなったので体調を崩すのも困るし。。と断念。何人かはせっせと温泉を掘って入った。入っている時はそこそこ気持ち良かったらしいが出た途端、死ぬほど寒かったらしい(苦笑)

 5時に船に戻る。その後ライブラリーにて仲間達とトランプ。3日掛けて来ただけの価値があった今日一日に大満足♪夕食はアルゼンチンのギョッとする大きさのステーキだった。その後デッキで超巨大氷山を見る。こんなモノが浮いちゃってるんだから、やっぱり凄い(笑)2つ目に見た大きな氷山の上に100羽以上のペンギンが乗っている!!ゴマの様に見えるが確かに夢見た氷山の上のペンギン達。興奮&感動の嵐!!

←夢の2ショット♪