France

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イギリスにとって最も身近な外国、フランス。東京ー大阪といった感じで、ぶらりと簡単に行かれる距離である。それ故に綿密な旅計画を立てなくても気の向くままに最も数多く訪れた国となった。こんなにも御近所同士の2つの国なのに、余りにも違いは大きい。

まず、最も違う点、第1位は何と言っても食文化!!本場の高級フレンチの絶品さは勿論のこと、ふらっと立ち寄った普通のスーパー等で買う普通のバゲットサンドウィッチなんかも実に美味しい。それに引き換え、英国ったら・・・(涙)ドーバー海峡を越えただけで、人間の舌はここまで差が有るものかと悩んでしまう程、と言うか呆れる。第2位はセンス。フランス人だからと言って日本人みたいにフランスブランドで身を固めている人なんて見掛けない。Tシャツにジーンズ、スニーカーなんて恰好が妙にキマッている。同じスタイルでもイギリス人とは着こなし方が、どこか違うのだ。あとは、お店等のディスプレイのセンスの良さ。とってもお洒落で、街角のお花屋さんや雑貨屋さんのウィンドウショッピングだけでも十分楽しめる。そして第3位は顔(笑)。おフランスに行くと惚れ惚れとしてしまう美男美女が沢山。(←勿論、例外も多数だけど)目の保養になる様な素敵な男性がクシュクシュとフランス語を話す姿を見ていると、あぁ、フランスに留学すれば良かった。。と思ってしまう。イギリスの美男美女代表はベッカムとダイアナ妃。でも、現実の世界では両者の系統の顔は一度もお目にかからない。・・・とまるで英国の悪口や愚痴?っぽくなってしまったが個人的には、田舎の空気と景色、人間の暖かさと紅茶は断然イギリス派である。人間の暖かさの点は、単に私がフランス語を話せないからかもしれないけど。

パリに着いて、シャンゼリゼ通りにそびえ立つ凱旋門が目に飛び込んでくる瞬間、そしてメトロに乗る時の独特〜な甘過ぎる匂い・・・この2つが、あ〜パリに来たぞ!と心底感じる一時である。

そんなフランスの空気を初めて吸ったのは高校生の時のシャルルドゴール空港での乗り継ぎ。飛行機の待ち時間に食べた普通のカフェのケーキがとっても美味しくてさすがフランス♪と感心したのを覚えている。ちょっとだけ寄ったこの当時は、憧れは有ったもののヨーロッパ留学はまだまだ夢の話。

次に訪れたのはその3年後。イギリスに渡って3ヵ月後の夏、パリに住んでいた友達ファミリーのお宅にお邪魔させて頂いた時である。初のイギリスからの1人旅。パリの空港に迎えに来てもらいながらもロンドン−パリ間の40分足らずの旅が心配と緊張とでドキドキした、まだまだ初々しかったあの頃(笑)。パリの真ん中でフランス生活を満喫されている一家に長期間お世話になり、どっぷりとフランスを見せて頂いた。

フランスと言えば、美味しい食べ物だけど、その前にまずは絵画。ルーヴル、オルセー、オランジェリー、ピカソ、ロダン・・・100にのぼる美術館がパリだけで在るらしい。名画、傑作を浴びるように見れる街、パリ。音楽と絵画はやはり切り離せないもので、フランス音楽の好きな私にとって、これらの美術館巡りは至福の時。これらの中心地の美術館はその後も何度か足を運んだ。滞在中、1日、郊外にあるモネの家に車で連れて行ってもらった。ジベルニーと言う小さな村に在る広大な彼の敷地は、どこを見てもフランス絵画&フランス音楽の世界そのもの。43歳から86歳で亡くなるまで住み続けたこの家の庭は無造作な植え方に見えつつも、そのものが1枚1枚の油絵となって花を咲かせている様な幻覚を覚えた。家の中には、当時のブームでもあり、彼が好きだった浮世絵やオリエンタル色の強い食器等も見られる。地下道を抜けて行く奥の庭には有名な睡蓮の池に柳、緑の太鼓橋が架かる。フランスとアジアを混ぜた独特な世界にしばし呆然。睡蓮の池からの眺めは本当にドビッシーの音楽そのもので音楽を頭に巡らせながらジ〜ンと来た。

   

パリ市内のあらゆる名所を案内してもらい、連日感激の嵐。中でも印象的だったのはナポレオンのお墓とショパンのお墓。展示された洋服等を見ると、ナポレオンは思っていたよりも、とても小柄。立派な棺を見ていると、ここに眠る人が世界を動かしたのね〜と感慨深い。島流しにしておいて、死後、遺体を掘り出してパリに運び、現在のこの崇め様にも驚き。ナポレオン自身も『何のこっちゃ?』とばかりに、英雄扱いされたり悪者にされたり驚いている筈。そして、ショパンのお墓。白い墓石の、うなだれた女性像が持つ真紅のバラが印象的だった。日本式に手を合わせて(笑)、『私に乗り移ってインスピレーションを下さい』と日本語でお願いしておいた。。効果なし。

音楽一家の御家庭だったので、ピアノの練習までしっかり付いて充実したプチパリ暮らしを経験。毎日毎日トホホと困ってしまうほど美味しい物を食べさせてもらいフランスとイギリスの食文化の違いを痛感。その後、ご家族の夏休みの旅行に便乗させて頂いた。行き先は南仏。途中、セザンヌのアトリエ等にも寄りながらプロヴァンス地方を車で周り、真っ青な海、憧れのコート・ダ・ジュールの広がるニースやマントンでのんびり。太陽の出る事が余り無いロンドンに戻って『夏の間、どこで何してたの??』と驚かれる程、毎日泳いで遊んで焦げた。マントンは巨匠リヒテルが、ここの音楽祭でヤマハのピアノと出会い、気に入った事で、音楽界ではちょっと有名。丘の上の屋外ステージで、伝統のマントン音楽祭も聴け、本当に贅沢な夏休み。ニースでは、シャガール美術館に行き、聖書をモチーフにした彼の世界にどっぷり浸かる。シャガールのステンドグラスがきらめくコンサートホールは特に印象的で、こんな所で演奏会をしてみたいものだと目がハートになった。ステージ上のシャガールの絵が描かれた赤いチェンバロも大変印象深かった。連日、食べては泳ぎ、食べては絵画を見て・・・の贅沢三昧の日々を送っていたら、体重計が恐ろしい事になっていた〜〜!!一大事!

一度、12月のパリを訪れた事がある。ヨーロッパの冬はシンシンと寒くて長い。夜10時過ぎまで明るいサマータイムの開放感を味わってしまうと、3時台には真っ暗になってしまう、この暗くてわびしい冬はとっても落ち込むもの。そんな人々の落ち込みを元気付けてくれるのが、クリスマスイルミネーションだ。各都市のメインストリートには、華やかに様々な個性の飾り付けがされ、気持ちも町全体も一気に明るくなる。購買意欲も一気に加速するんだけど・・・ね。

全体的に可愛らしいロンドンのクリスマスイルミネーションに較べ、『パリのクリスマスは大人♪』と情報が入り、大人のクリスマスを満喫してみようと、旅に出掛けた。このすぐ後にユーロトンネルが開通し、ロンドン市内⇔パリ市内を電車が行き来する様になったので、更に身近となり、この旅が最後の飛行機でのフランス入りとなった。シャルル・ド・ゴール空港に飛行機が着陸したら滑走路脇の芝生を良〜く見て欲しい。茶色い、小っちゃな野ウサギが爆音に驚いてぴょんぴょん跳ねていて、最高に可愛い。

さて、パリ市内は、ロンドンよりも冷え込み、顔が痛いほど。でも以前来た夏のパリとは又、全然違う表情を見せ、今回はクリスマス一色☆街路樹のイルミネーションはクリア球で統一。それに各、お店の華やかで真っ赤なディスプレイが映えてセンス良過ぎ。友達4人で来たこの旅のテーマは『大人のパリ』(笑)。お洒落にパリのクリスマスを過ごそうと計画。まずは大好きなバカラ美術館へ。ここのグラスは繊細の極みで、特に19世紀〜20世紀初頭の作品は芸術そのもの。輝くクリスタルに囲まれてうっとり。街中をフラフラしながら早くも日は暮れ始めた。夜をどうしようかと言う話になる。演奏会、オペラ、バレー等、さほど目ぼしい物も無く、これらはロンドンでも一流の公演がいつでも浴びる様に見られる環境だったし、『大人の夜』に匹敵するshowを見に行く事に。ムーランルージュとリドで迷ったものの、場所的に安心なリドに決定。早めの美味しい晩御飯後、会場入り。中は白い丸テーブルが並び、正装した男女が食事をしたりシャンパンを片手に、大人モードで鑑賞していた。ステージの、とびきり美しくスタイル抜群のお姉さん達に目が釘付け(笑)。同じ女性とは思えぬ美しさだった。終了後の夜遅くのシャンゼリゼ通りは、イルミネーションが、より、くっきり真っ暗な空に映えてロマンチック。(写真が無いのが残念!)

   

翌日は、お目当ての時計を買ったり、再びルーヴル鑑賞。本場アンジェリーナのモンブランを食べて、余りの甘さに仰天したのも、この時。ルーヴル脇にある、移動遊園地の観覧車に乗った。常設なのか、前回、夏に訪れた時もトライ。日本の観覧車とは訳が違い、物凄いスピードで何周もする。しかも囲いや屋根は無し。全くの自己責任による、チャチな乗り物。更に驚く事に中央部に取っ手が付いていて、回すとコーヒーカップの様にグルグル回る。恐ろしい乗り物だけど、時々お客の交代で止ってくれる、この頂上からの眺めは最高♪

  

町中がクリスマスプレゼントの様な飾りに包まれる、この時期は本当に美しい。(寒いけど)この時期に訪れるなら、名所よりも、街そのものの芸術を楽しんだ方が良いかも♪

  

続く→