Iceland

 

アイスランド=川口浩探検隊って連想してしまう。(古いですね。。)実は私、大の洞窟好き。鍾乳洞は勿論、氷穴、風穴、単なる穴ぐらなんかも大好きで、人の手が入っていなければいない程ゾクゾクする。かなり昔、ふと付けたテレビの川口探検隊 in Iceland で臭い演出の最後に映し出されていた間歇泉が強烈な印象として焼き付いていた。

 イギリスからチャンスが有れば行ってみたいなぁと思いつつ、定期便が少ない為か(ビジネスで行く人も少ないでしょうしね)航空運賃が、やたら高い。諦めかけていた頃にアイスランド航空か何かのキャンペーンで、往復99ポンド(約16000円)という破格が出た!!限定もので数週間限り。2週間後の3月末にラヴェルのコンチェルトを全楽章弾く試験が迫っている。旅行になんて行ってる場合ではないと分かってはいながらも、この大チャンス〜〜。。と葛藤。もともと、コツコツと日々積み重ねるタイプでなく、よく言えば『超短期集中型』なので『よ〜っし!帰って来てから必ず成功するように真剣勝負だっ!』と決心して行く事にした。

 ロンドン⇒アイスランド、レイキャビックの飛行時間は約3時間。夜11時のフライトでレイキャビックのホテルに到着したのは夜中の3時過ぎだった。限られた旅の時間。数時間の睡眠をとり、朝から行動開始。ホテルで頼んだ郊外の名所を巡るバスツアーに参加する。この年は例年にない寒さだそうで、半端でない。−20℃は楽にあるだろう。厚手のセーターにスキーウェア、帽子に手袋、ブーツと完全防備。唯一外気に触れる顔が寒さを超えて痛い。まずは3千年前の噴火で出来たと言うケリズ火口湖へ。直径200Mもあり、夏はどこまでも深く透き通った真っ青な湖との事。けれど、今日の湖は完全に青白く凍っていた。とっても綺麗だが寒くて5分以上見ていられず速攻バスへ。参加者全員、集合時間を言われなくても、あっという間に戻って来る。

 お次はグルフォスの滝へ。ここはアイスランド最大の壮大なスケールの滝で大迫力。しかも、目が点になったのは、この迫力満点の滝、バキバキに凍りながら、流れ落ちているのだ。あまりの豪快さに感動する。この偉大な大自然をずっと見ていたいのだが極寒過ぎてカメラに向かっても笑えない。飛ばされないよう突風に逆らいながら白目がルイベ状に凍る感覚を初体験。でもでも、突風の中この凄い光景を目に焼き付けようと、じっと滝を見つめていたら、とっても楽しくて感動しているのに、寒さの辛さに負けて涙が出て来た。・・・とその瞬間、涙がパキッと頬の上で凍った。うっひゃぁ。。。(笑)鼻水も凍る寒さと言うのはまさにこんな日の話である。

 頑張れるだけ頑張って満喫してからバスに戻った。バスの中では外の景色の説明や、アイスランドの歴史等、細かく説明してくれた。至福の一時で暖かさと寝不足から半分以上眠ってしまったケド。。そしてお昼御飯を兼ねてバスはゲイシールの間歇泉へ♪ここだ!おぼろげな記憶のTVで見た、まさにこの場所だ。数分間に1度、凄まじい勢いで30〜50Mの噴き上げが目の前で見られる。この光景、実にイメージ通りのアイスランドらしいショットで、迫力満点でかっこいい。

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 何も人工的な建物や道路、看板等無く、全くの大自然そのものなのが気に入った。太陽が高くなって、かなり外に居ても楽になる。それとも温泉や間歇泉の効果でこの周辺は若干暖かいのだろうか??気が済むまで何度も噴き上げを見てバスは夕方レイキャビックへ。首都とは言え、とても小さな街。赤や緑の屋根に白い壁が氷に映える可愛い町並み。街の中心の湖は完全にスケートリンクと化し、子供から大人まで沢山の人々が気持ち良さそうに滑って楽しんでいる。

 旅の私のお決まりの楽しみは地元のスーパーマーケットに行く事。デパートを覗くよりも遥かに各国の素顔を垣間見る事が出来る。ここでも大きなスーパーマーケットに行ってみた。この国、噂通り非常に物価が高い。それに比例して物や資源が大変豊富である。外の寒さからは想像出来ない程各種色鮮やかな野菜や果物がズラリ。さすが港町だけあって、魚の種類は非常に豊富で、思いっきり新鮮である。綺麗な広い店内をたっぷり散策してイギリスでは見た事の無い調味料や美味しそうなお菓子、ロブスタースープ等買い込む。別の店で、今日1日耳がちぎれそうに痛かったので耳あてを購入。明日はこれで万全。

 

 翌日は本当は中部にある厚さ1000mというヨーロッパ最大級のヴァトナ氷河に行きたかったのだが、この寒波。途中の道がどうなっているのかも想像出来ず断念。南部の海沿いに行ってみる。相変わらず氷の粒が流れる川や滝壷が凍って段々膨れ上がり氷の山と化している滝等、見るが寒さは遥かに昨日よりマシ。でも昨日のバスツアーの方がかっこいい名所に連れて行ってくれたかな??ユーラシアと北アメリカの大陸のプレートにも行く。そこからの一面氷の町は絶景だった。寒い国には寒い季節が最も美しいという言葉が納得。

        

 アイスランドのお勧め食べ物は何と言ってもロブスター!!ロブスター尽くしのフルコースが一押し。アザラシ料理も名物らしいが、こちらはちょっと御勘弁。共食いになってしまうので。。(笑)

 もう1つの私のこの旅への密かな期待、それは、ひょっとしたらオーロラをこの目で見られるかも・・・というものだった。でも、いざレイキャビックに来てびっくり。とにかく夜が明るいのだ。立派な地熱発電のお陰で、資源が豊富なのか無駄に明るい。田舎道でもガソリンスタンド級に眩しい街灯が煌々としている。この明るさではレイキャビックでは絶望的。ホテルのフロントに相談したら首都圏から、かなり離れた郊外に行けば見られるかもとの話だった。確かに昨日、今日訪れた辺りなら完璧であろう。でもタクシーで行ったにしても、いつ出るかも分からずしかも昼間でも涙の凍る寒さ。。ん〜悔しいけど諦めましょ。

 最終日はバスにてブルーラグーンに行く。その名の通り美しいライトブルーの世界最大級の露天風呂(温泉湖)である。寒 いながらも、ここ2日は晴天だったのだけれど、今日は吹雪(苦笑)。どうせ入れば濡れるし、もう二度と来られないだろうから…と入る事にする。広大な温泉湖で、手前は弧を描く砂浜になっていてビーチの様。水着で入浴♪ややぬるい適度な温度で塩辛いお湯と(食塩泉のため)底に溜まる白い泥とで、お肌がスベスベになる。ただ、脱衣所から温泉までのたった3m程の距離がアンビリーバブルな寒さ!行きも帰りも絶叫モノ。帰りの方が塩水で濡れて、更に絶叫。。髪を濡らさない様にとアップにして浸かっていたが、吹雪の中、突風と共に結局全身塩辛くずぶ濡れになった。暖かな穏やかなブルーラグーンにも来てみたいが、これはこれで刺激的で、最高に楽しかった。ふと、イスラエルの死海に浮かんでみたくなる。死海に浮かびながら憧れの新聞を読むポーズをとってみる自分を想像(笑)。治安が落ち着けばいつか行きたいなぁ。

 ブルーラグーンの小さなホテルのおじさんが車で空港まで送ってくれた。車の中で話した、そのホテルに宿泊したというトランペット吹きのイギリス人によると、彼は昨夜オーロラを見れたらしい。いいなぁ。。

 こうして忙しくも超充実の3日間はあっと言う間に終了。空港でチェックインしたところ、朝からの吹雪で飛行機が飛べないらしい。明日は学校だし、やばいなぁと思いつつ、じっとひたすら待つ。待つこと3時間、吹雪がだいぶ治まり、やっと乗る事が出来た。やれやれと席に座りシートベルトを締めると何やら凄まじい音が?!アナウンスと共に理由判明。飛行機全体がグラグラと揺れるほどの水流の温水を(熱湯かも)吹雪で凍り付いた機体全体にかけ、解かすという面白い体験を最後の最後までしてしまう。お風呂上りの(笑)湯気の上がる飛行機でやっと離陸。英国上陸は雲1つない天気でスコットランドやイングランドの街の小さな夜景が窓から見えて、とても美しかった。ロンドンに到着。いつも寒い寒いと口にしていたこの地が、冷房のように涼しく爽やかに感じた。さぁ、明日から又頑張るぞっと!!